看護物語

2024/2/1

きらり看護~活動意欲の向上について~

今回5階病棟では、A氏の活動意欲が低下していることに目を向け、何か活動意欲向上につながることはないかと考えた。A氏は元々和菓子職人であった。A氏が病棟で簡単に作れる和菓子として、白玉づくりを考え、製作することにした。A氏は日頃ベット上で過ごすことが多く、口数も少なかった。また、リハビリも拒否する日々が続いていた。当日始める前は寝ていたところを誘ってしまったせいか不機嫌であり、「白玉は誰でも作れる」「自分はやらない」と参加に拒否的な発言があった。だが、看護師が白玉粉に水を入れると大きな声で「あっ、入れ過ぎだよ」と話される。今までに聞いたことのない声で話されていた。それから次第に白玉づくりに意欲をみせ前のめりになりながら、粉のこね方を他患者や職員に指導を行っていった。指導しながら、楽しそうなA氏の笑顔もみえた。生地をこねる、成形作業は他患者が実施し、A氏は看護師見守りのもと立ったまま白玉を茹でる作業を行った。茹で上がるまで集中されていた。茹であがった白玉は他患者、職員と一緒に食べた。ご自身でも食べられたが、他患者、職員が「おいしい」と言いながら食べているのを見るのが嬉しいとの発言もきかれた。A氏の様子は普段より口数が多く生き生きとした表情で笑顔もみられた。また、参加した他患者からも「楽しかった」「参加してよかった」との返答が聞かれた。日頃は口数の少ないA氏だったが、和菓子作りをすることで普段は見られないA氏の姿を見ることができた。また、活動意欲の上にもつながった。

看護は療養上に世話、診療の補助がすべてではない。日頃、患者の様子を見ることで気づくことがあり、それに介入していけば日頃みることはできない患者の姿もみることができる。また、患者の活動意欲向上につながることがわかった。

5階病棟ではこれからも、定期的に企画を提案し実施できるようにしていき、普段はみられない患者の姿を見出していけたらいいなと思いました。